人材育成に注力する札幌心臓血管クリニック。人が集まる若手の教育とは?

TCROSS NEWSのグループ登録を導入された札幌心臓血管クリニック(SCVC)。今回、同センターの理事長兼CMOの藤田勉院長に若手の人材育成についてお話しいただき、その中でTCROSS NEWSがどのような役割を果たしているのか伺いました。

札幌心臓血管クリニックでは、人材育成に力を入れられていると伺いましたが、現在、ルーティンに行われている勉強会、査読会などございますか。

札幌心臓血管クリニック(SCVC)は、24時間救急救命体制で心疾患患者を救うことを使命に掲げ、2008年に札幌市内に開設しました。開設して今年で14年となりますが、PCI実施件数は2008年の初年度から725件、そして、昨年の2021年には年間2,406件のPCIを行っています。 SCVCは、「心疾患で患者さんを死なさない」という強い使命感のもと診療を行っており、その使命を我々の代で閉ざさず、100年先も続けるには人材育成は極めて重要です。昨今では、“人的資源”という言葉が飛び交っていますが、医療は特に人ですので、その人を育成することは我々の責務でもあります。 当院には全国から若手医師が集まってきてくれていますので、彼らに一流の術者になってもらうために人材教育には毎年多大な投資をしております。

具体的には、週3回の査読会を早朝から英語で行っています。海外のグループ病院も交えた査読会ですので、ZOOMを使って英語で活発な討論をしてもらっています。また、ご承知の通り日本のカテーテルインターベンションのレベルは世界と比較しても高く、海外の先生方に向けたPCIカンファレンスを毎週土曜日にも開催しています。 そして、コメディカルの人材育成にも力を入れており、時間を見つけてカンファレンスなどを開催してもらい、レベルアップをはかっています。

また、若手医師にも積極的に国内外に出てもらいたいという意味で、年10回ほど院内ライブを他の施設とつないで実施し、ライブオペレーターとなれるように鍛える場を提供しています。自施設以外にも我々が培った技術を伝承するという意味でもライブオペレーター育成は欠かせません。

若手医師が全国から集まって来られています。術者のトレーニングのステップを教えてください。

現在、循環器内科医だけでも20名を超える医師が在籍しており、若手ですと、医師5年目、6年目ですので、各々の技量により育成プランは異なります。カテーテルの経験が浅い術者はまずは「見て習え」から始まります。最近はそこからさらに進歩させ、当院のトップオペレーターの鹿島由史医師が毎日のようにカテーテル治療に入り、一人一人に基本をしっかり叩き込みます。 ステップアップは、各々の医師の才能技量を判断して私が決めています。

PCIは既に成熟、且つ技術やデバイスも進化し続けているため、トップオペレーターになるには、才能と努力が極めて重要になります。一方で、末梢血管インターベンション、SHDインターベンション、カテーテルアブレーションは、まだ成熟しておらず発展途上の段階にありますので、 この点を理解した上で、どの領域へと進むかは本人の覚悟次第になります。

海外に留学されている先生方を見ていますと非常にアグレッシブに思えます。日本で活躍している先生方も負けないように頑張ってもらいたいと考えており、頑張れる人は、一流のオペレーターを育成する環境は整っておりますので、 SCVCにきて活躍してもらいたいと思います。

TCROSS NEWSのグループ登録プランを導入されていますが、採用された理由と施設での活用方法について教えてください。

一流のオペレーターになるには技術レベルが高いことはもちろんですが、それだけでは一流とはいえません。既存のカテーテル治療の課題や限界なども知る必要があります。そして、短期的な手技成功と同時に長期予後に関しても循環器内科医として熟知しておくべきだと考えております。

それらの情報をいち早く知ることができるのがTCROSS NEWSです。循環器内科医領域の最新のエビデンスや動向のみならず、動画コンテンツも充実しており、技術だけに偏らない人材育成には必須感があり、院内でプラチナプランをグループ登録することにしました。

当院では治療を行うだけではなく、自らが行った治療に対し研究し、論文にまとめることも仕事としていますので、TCROSS NEWSは若手にとっても参考になる情報サイトといえます。当院ではベテラン医師から若手医師までTCROSS NEWSを拝見していることで、新しい情報は常に同じようにアップデートできていると思っています。

今後、TCROSS NEWSに期待することを教えてください。

今の日本では市場が成熟し、衰退しつつあるため国内のみで発信する以外にアジアに向けて発信する取り組みが必要と考えています。 TCROSS NEWSも他社との協業などを踏まえ、日本企業として商業ベースでの成功を祈ります。これからも価値ある情報を発信し続けてください。