
岐阜県立多治見病院、また、循環器内科の特徴を教えてください。
岐阜県東濃地区にある多治見市は、夏の暑さで有名になりましたが、陶磁器産業の街で、重労働の活力アップのため、昔からのおいしいうなぎ屋さんがいくつもあります。また、公共施設、商業施設がコンパクトにまとまっており、名古屋からも35分で着き、住みやすい街だと思います。
岐阜県立多治見病院は553床で、東濃地区唯一の心臓血管外科医師常勤病院です。2021年のデータですが、PCIを年間450例、不整脈カテーテル治療を195例、経皮的腎動脈・四肢動脈カテーテル治療を100例程実施しています。2024年春には新しい外来、救命センター、中央放射線部、中央手術部棟が完成し、ハイブリッド手術室が稼働します。今まで専用心臓カテーテル装置1台と各科併用アンギオ装置2台でやりくりしていましたが、ようやく専用心臓・下肢動脈用カテーテル装置2台体制になり、またTAVIも開始予定です。
現在、循環器内科に11人のスタッフが在籍されていますが、循環器内科医を育成する教育プログラムなどがございましたら、教えてください。

3年目からの内科専攻医(循環器志望)には、内科スーパーローテーションの1年と循環器ローテーションの1年で心カテ、心エコー、シンチ、トレッドミル、救急を勉強してもらい、また、学会発表の経験も積んでもらいます。当院ではオーバーワークを考慮しつつ、夜間待機は全員均等に行っています。
5年目は他院での循環器内科勤務の中で内科全領域29症例のレポートを完成させ、6年目からは循環器スタッフとして活躍してもらいます。他院から赴任した6年目以上の医師は、即戦力です。IMPELLA、ECMO管理も重要な任務の1つと考えており、主治医まかせにしないように教育しています。
カテーテル技術に加え、循環器内科医として、そして、医師としての心得などの教育はどのように行われていますか。

医師としては、患者さんを診て、命を救うことに加え、常にクリニカルクエスチョンを考え、それを明確にするために研究を実施することや症例を共有すること、さらには他の先生方との交流を図ることも重要です。故に、積極的に学会発表に取り組んでもらい、プレゼン能力、文献考察のスキルを上げることを目指しています。
多忙な日常診療の中で患者さんと向き合いながら、研究にも従事していますので、特に若手医師には、うまくいった治療や学会発表終了時はGood job! と声掛けするよう心掛けています。
TCROSS NEWSのグループ登録プランを導入されていますが、採用された理由と施設での活用方法について教えてください。
循環器領域では、学術集会やライブコースなどで知識、技術を身に着けることが非常に重要ですが、当科は伝統的に演者および座長などの役割がない場合は、学会時は留守番となっています。TCROSS NEWSは、病院にいながら国内外の学会最新情報や論文情報の入手、ライブデモンストレーションを視聴できる魅力的なツールであると思い、若手医師にも活用してもらいたく、グループ登録しました。
現在、循環器を志望する研修医が減少していることが伝えられていますが、命を預かる非常に重要、且つやりがいのある領域です。TCROSS NEWSには循環器医師志望が増えるような、魅力的なコンテンツを期待しています。