2018年改訂版日本循環器学会の急性冠症候群ガイドラインでは、多枝疾患を有するST上昇型MI患者のstaged PCIのタイミングについて、虚血症状が持続する場合は、非梗塞責任血管へのPCIを同一入院中に施行すべきであり(クラスⅠ)、非ST上昇型MI患者おいては、責任病変のPCI だけでなく他枝に対する PCI を考慮してもよい(クラスⅡb)とされている1)。
近年、本患者群を対象とした研究が数多く実施されており、第37回日本冠疾患学会学術集会では、板橋中央総合病院の大塚龍彦氏より、心原性ショックを伴わない多枝疾患を有するACS患者におけるPCI戦略のエビデンスが発表された。