現在、本邦やアメリカのガイドラインでは、洞調律の慢性心不全患者においてルーチンの抗凝固薬使用は推奨されていない。一方、慢性心不全患者と比較して急性心不全患者では脳梗塞の発症率は高く、急性心不全の塞栓リスク因子について検討した研究も報告されている。第27回日本心不全学会学術集会にて、京都医療センターの濱谷康弘氏から、急性心不全患者における抗凝固療法の現状と今後の展望について発表された。
心不全患者への脳梗塞予防を目的とした抗凝固療法 ~現状と今後の展望~
心不全患者における脳梗塞リスク
フラミンガム研究では、2年の年齢調整脳卒中発症リスクは、心房細動患者では心房細動のない患者と比較し約5倍、そして、心...