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岐路に立たされる循環器領域 ~下落する償還価格、未来への模索~ Vol. 1

はじめに

1980年代に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が我が国で導入されて以来、規制緩和、医療バブル、技術の進化などのマクロ(外部)環境に後押しされて急速に発展した循環器医療機器業界は、PCI誕生から40年を迎えた今日、その環境の変化により、業界のエコシステムの中にいる循環器専門病院、医療機器メーカー、流通業者、そして、それらを取り巻く企業や個人が逆風にさらされている。

エコシステムの中核を担う循環器専門病院は、償還価格の下落、消費税増税、働き方改革、働き手不足などが重なり、厳しい環境下で生きる術を模索している。2000年代初期までは、過剰な設備投資を行わず、年間PCIの実施件数が一定数を超えれば、医薬品・医療機器の高い償還価格と、志同じくして集まった長時間労働をいとわない職員の熱い想いに支えられて発展し続けたものの、今日ではその原資であったバルーンカテーテルや冠動脈ステントの償還価格がピーク時の1/2~1/10程度まで下落し、PCIの実施件数を増やすだけでは医療設備や高い医療技術を持つ医師らの人件費をカバーすることも容易でなくなってきている。

TCROSS NEWSでは、「医療業界の変革で岐路に立たされる循環器専門施設」と題する論説にて、循環器領域の30年にわたるマクロ環境を分析し、業界のエコシステムの中心となる循環器専門病院の過去、現在、そして、生き残りをかけた選択について述べた。さらに、「循環器専門病院の人材マネジメント」では新たな時代を見据えて、組織の内部環境をマクロ環境に整合させる必要性と変革について論じた。本稿では、次の時代の循環器専門病院のモデルの根拠となる定量的な分析結果を報告し、地域医療を担う循環器専門施設の変革の必要性をリーダーシップ論の観点から論じる。

  償還価格の変遷 カテーテルインターベンション業界は1980年代から2000年代までは高い償還価格により支えられてきた。1980年代の保険医...
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