「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2021年10月16日-10月22日~
【新型コロナウイルス感染患者数減少】
新型コロナウイルス感染者数減少のニュースから始まりました。15日に発表された新型コロナウイルス感染者数は全国で531人、そして、20日には391人にまで減少し、ワクチンの効果や感染症対策が効を奏してきました。しかし、これから冬に入り第6波が到来する可能性も高く、新たなリーダーがどのような対策を行うのか注目されます。
【衆議院解散、選挙戦始まる】
また、政治では今月4日に総理大臣に就任した岸田文雄自民党総裁が就任10日後と戦後最も短い期間で衆議院を解散し、選挙戦が始まることになりました。10月19日に衆議院選挙が公示され、31日に投開票が行われます。今回の選挙で今後の日本の政治がどのように導かれるのか注目されます。
【年収30年間横ばい】
「Japan as number one」と言われた1970年代の高度成長期。1980年代には日本の物価高は世界的にも有名でしたが、今では先進国の中でも物価は低く、賃金も30年間横ばいであり、先進国のみならず中国、韓国との差も広がってきています。今から40年前、筆者が子供の頃に年に1回食べられるかどうかだったという高級アイスクリーム「レディーボーデン」は470mLが500円でしたが、先日、食品スーパーで400円で販売されているのを見て思わず手にしてしました。世界中で物価、賃金が上昇する中、この国の停滞を改めて痛感し、この先、「日本は先進国と言える国でいられるのか」と、不安に思いました。原油価格の上昇や円安が伝えられた週でもあり、特に円安は日本経済の弱さを象徴するように感じられました。
【喀血に対するカテーテル治療の実際】
10月16日に「第5回呼吸器血管内治療研究会」がオンラインで開催されました。今回は岸和田リハビリテーション病院の石川秀雄先生が当番世話人を務められ、喀血に対するカテーテル治療、気管支動脈塞栓術(BAE)について包括して学べる研究会でした。日本は喀血治療の先進国と言われており、2017年以降より数多くのエビデンスが報告されています。喀血に対するBAEは、以前の外科的手術までの橋渡しという位置づけから、現在は有効性と安全性が示され第一選択治療にまでなりました。「喀血は死亡につながる重篤な症候」であり、最新のエビデンスからは喀血の入院患者の院内死亡率は9.4%、フランスでも10%の院内死亡率が報告されています。
日本が先進国と言われる所以は、その論文の数であり、2017年以降の英語論文の約20%を日本人が発表しています。この研究会に参加して驚いたのは、循環器科、呼吸器内科、放射線科の先生方が診療科の垣根を越えてご自身の研究や症例を報告し合い、技術や経験を共有していることでした。循環器内科医はカテーテル治療に慣れており、治療時のACTのモニタリングはルーティン化されていますが、他診療科ではその習慣がなく、そこでACTのモニタリングの必要性を学ぶというような光景が見られました。このような研究会を通じて多くの患者さんが救われることを願います。
それでは、以下、週間ランキングを紹介します。