トップ keyboard_arrow_right 市場トピックス keyboard_arrow_right その他

「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年4月30日-5月6日~

2022 4.30   5.6

「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年4月30日-5月6日~

【一般注目ニュース】

[海外ニュース]

中国のゼロコロナ政策で世界経済にリスクが生じる
中国でオミクロン株が流行し、上海をはじめとする主要都市が外出制限に追い込まれており、その模様が連日各メディアで伝えられています。世界第2位の経済大国である中国のこの状況は世界経済にも影響し、その負の影響を最も受けるのが日本であろうという見解も報じられています。今回は中国の「ゼロコロナ政策」が世界経済にどのような影響をもたらし、なぜここまで「ゼロコロナ」にこだわるかを調べてみました。

中国は世界のサプライチェーンの核となる国であり、2021年は輸入総額は世界第2位ですが、輸出入を合わせた貿易総額は世界1位です。世界の工場ともいわれる中国の経済が失速すれば、世界規模で物品が不足することは容易に想像できます。中でも中国の生産力に頼る我が国への影響が大きいと見られています。2020年の実績によると、中国は日本の輸入・輸出の一番の貿易相手国となっています。その金額とシェアは全体の22.0%と1/4程を占めており、それが滞ることは日本経済に大きな打撃となります。ご承知のとおり、日本は資源に乏しく、労働者の人件費も他のアジア圏と比べると高い国です。故に、製品等の設計は自国でできたとしても、材料の調達や生産を中国を中心とする他国に頼らざるを得ないのが現状です。それが止まるとなると、グローバル展開している日本企業の活動を止めることにつながります。

ここまで国内外から批判されてもこの政策にこだわる習近平国家主席の意図は何でしょうか。4月20日付のNewsweekの日本版の記事で、そのことについて触れられていました。現在、習近平国家主席の政権は3期目に入ります。この政権が、新型コロナウイルスへの対策次第では厳しい状況に追い込まれるためにゼロコロナ対策を強めようとしています。習近平氏は国営メディアを連れて南部の海南島を訪れた際にこの政策の重要性を繰り返し強調していましたので、今更その姿勢を緩めれば政権にとってネガティブなイメージをもたらします。さらに、習近平氏の言動は「集団免疫もなく医療制度が貧弱な中国において、ゼロコロナ政策に代わる魅力的な選択肢が存在しない」ことを示し、今になって方向転換したとなると、自宅に長い間閉じ込められてきた主要都市の国民の怒りの矛先が、政権に向けられるリスクも否めません。4月25日付のBBCニュースによると、中国・上海の当局は新型コロナウイルスの感染流行を封じ込めようと、市民の移動を制限するために住宅などの前にフェンスまで設置しています。

恐ろしいのは、ここまでの厳格な政策をとってもゼロコロナとは程遠いことです。Our World in Dataによると4月29日の中国の1日の感染者数は28,853人、7日間平均で29,381人です。ワクチンの追加接種は国民の51.83%にまで進み、世界第9位となっていますが、人口から考えるとまだまだ時間がかかることが予想されます。国民や世界の工場としての責任を対価とした政権の威信をかけての「ゼロコロナ政策」が、今後どのような経過をたどるか見守っていきたいと思います。

[国内ニュース]

日本の博士号獲得者数の減少~国別順位は21位~
5月2日付の日本経済新聞の一面に、『「低学歴国」ニッポン』と題し、日本の博士号を取得する人の数が低下していることに危機感を抱かせる記事が掲載されていました。この記事では、科学技術・学術政策研究所のデータを示し、「日本は人口100万人当たりの博士号取得者数で米英独韓の4ヶ国を大きく下回る。減少は中国も加えた6ヶ国中、日本だけ」と、解説されていました。現在は国別順位21位と先進国でも低い位置にいます。さらに、科学論文数の国際順位は、1990年前半までは世界第3位だったにもかかわらず、2018年には10位に落ちています。新型コロナウイルス感染にかかわる論文の数が少ないことでも表されるように、日本では研究者の数が減っています。では、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。調べてみました。

科学技術・学術政策研究所によると日本の博士号取得者数は人口100万人あたり2018年度で120人、イギリスの375人、ドイツの336人と比べると1/3程度でした。2008年と各国の最新データを比べると、日本は減少、フランスは横ばい、他国はすべて増加し、とりわけ韓国、アメリカ、イギリスの順で伸びています。中国は数こそ少ないですが伸び幅は大きくここ最近の医学論文でもわかるように研究者も増えています。

日本での減少理由を探っていると「博士になっても職がない ー修了者の9割以上が安定した研究職につけないー」という日本の現実が記されたSlowNewsの記事を見つけました。この記事によると、「博士になるのは経済的負担が大きい上、博士になっても努力や投資に見合った高収入を得られる安定した就職先が保証されるわけではない」ということが理由とされています。すなわち、ある程度の年齢になって博士号を取得してもその後のポストが用意されておらず、実際は任期付きの研究員の職を転々としているのが現実です。苦労をして博士号を取得してもポストがなければ、民間企業への就職も検討されますが、企業も博士号を持つ新卒者を採用するポジションが欧米と比べて足りていないようです。それ故、博士号を取らずとも大学を卒業し企業に就職して、企業内の研究職につくほうが利はあると考えるのは当然のことでしょう。

その一方で、日本でも企業が博士課程進学を後押しする動きも出てきました。大手フリマアプリを運営するメルカリは、今年1月28日のプレスリリースで、「社員の博士課程進学を支援する制度」である、「mercari R4D PhD Support Program」を開始したことを発表しました。このニュースは以下の通りです。

株式会社メルカリ(以下:メルカリ)の研究開発組織 「mercari R4D(アールフォーディー)」(以下、R4D)は、2022年2月より、将来的に事業の発展や社会的課題の解決に貢献しうる専門領域において博士課程への進学を希望するメルカリ社員を対象に、学費や研究時間の確保を支援する新制度「mercari R4D PhD Support Program」を導入することをお知らせいたします。

この制度では、進学・在学にかかる学費を全額支給し、「週休3日、4日など柔軟な働き方のもと、社員の研究活動・学び直しを支援」すると紹介しています。このような支援を通じて、人材を育成し、イノベーションの促進や長期的な競争力がもたらされることに期待しているとのことです。この制度の下であれば、前述した博士課程に進学するペインを解消することができるように思えますが、重要なことは企業が支援して博士号を取得した人材をつなぎ留めておくための土壌を用意できるかです。欧米のビジネススクールに企業が支援して留学させても帰国後は退職し、裁判沙汰になることがよく見受けられます。帰国した彼らにとって働きがいのある職場にしておくことが企業の責任ともいえるでしょう。

日本が国際競争力を取り戻すためには、人材育成に加えて育成した人材を生かせるのかどうかが重要です。いずれにせよ、今のように常に世界に追い越されたニュースばかりが伝えられるのではなく、1980年代のような強い日本に戻ってくれることを願います。

[新型コロナウイルス関連]

3年ぶりに移動制限が解除されたGW中の感染状況(NHK特設サイト 新型コロナウイルスより)
3年ぶりに緊急事態宣言や蔓延防止措置などの規制がなくなったゴールデンウィークでの新型コロナウイルス感染の拡大が懸念されていますが、初日の4月29日、30日では全国の感染者数合計がそれぞれ36,672人と25,182人と前の週を下回りました。死亡者の数もそれぞれ45人と14人が記録され、長期にわたり100人を下回る死亡者数となっています。4月27日時点で、国内の3回目のワクチン接種率が国民の半数を超えるまでに至り(約52.2%)、この連休明け以降の感染者数にもよりますが、徐々にコロナが抑え込まれているようにも思えます。

昨今は子供から親への感染例が増えており、2022年2月下旬からは5歳から11歳の子供へのワクチン接種が始まりました。ただし、5月2日の時点では1回目の接種が終わった5-11歳の子供のワクチン接種状況は全体の13.5%(998,350人)、2回目は8.9%(656,366人)とのことでした。

それでは、以下、週間ランキングを紹介します。