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「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年7月2日-7月8日~

2022 7.2   7.8

【一般注目ニュース】

[海外ニュース]

故・スティーブ・ジョブズ 大統領自由勲章を受章
Appleの共同創業者のひとりである故・スティーブ・ジョブズさんが7月1日に大統領自由勲章を受章することが報道各紙で紹介されました。パソコンを誰でも直感的に使えるようにしたジョブズさんが2011年に死去してから10年が経過した今、アメリカ市民に与えられる最高勲章を得ました。受賞理由は、「Appleとピクサーの責任者としての業績と、ウォルト・ディズニー・カンパニーでの主導的役割が認められた」とされています。授賞式は7日に行われ、他の16名の偉人とともに勲章が贈られました。ホワイトハウスは、「彼のビジョン、想像力、創造性は、世界のコミュニケーション方法を変え、コンピューター、音楽、映画、ワイヤレス業界を変革する発明を生み出した」と声明を出しました。この大統領自由勲章とはどのくらい価値があり、これまでどのような人物が受賞し、また、どのような基準で受賞者が決定されているのでしょうか。今週のはこの大統領自由勲章について調べてみました。

Wikipediaによると大統領自由勲章は英語で「Presidential Medal of Freedom」と言われ、アメリカの議会名誉黄金勲章と並んで文民に贈られる最高位の勲章だそうです。受賞対象は、「アメリカ合衆国の国益や安全、又は世界平和の推進、文化活動、その他の公的・個人的活動に対して特別の賞賛に値する努力や貢献を行った個人」とのことです。この勲章は第二次世界大戦時の1945年にアメリカ第33代大統領のハリー・トルーマン(在任期間1945年4月12日-1953年1月20日)により制定されています。通常、授賞式は独立記念日(7月4日)に行われ、受賞者の決定は、推薦などを参考に大統領が行い、今回のジョブズさんのように故人に対しても贈られます。

これまでの著名な受賞者として、国家元首・政治家関連では、アラン・グリーンスパン(元FRB議長)、マーガレット・サッチャー(元イギリス首相)、トニー・ブレア(元イギリス首相)、ジョージ・H・W・ブッシュ(元アメリカ大統領)、アンゲラ・メルケル(元ドイツ首相)、ジョン・ハワード(元オーストラリア首相)、ジョー・バイデン(現アメリカ大統領が副大統領の時に受賞)などであり、経営学者や経営関連の著名人としてはピーター・ドラッカー、ウォーレン・バフェット、ビル・ゲイツ、文化・芸能・スポーツ関連では、ウォルト・ディズニー、フランク・シナトラ、モハメド・アリ、トム・ハンクス、ビリー・ジーン、マイケル・ジョーダン、平和・人権・福祉活動家としては、ヨハネ・パウロ2世、マザー・テレサ、ヘレン・ケラーなどが受賞しています。これらの受賞者を見るとこの賞が如何に名誉な勲章であるのかがわかります。

ちなみに日本人の受賞者はいないのかと、同Wikipediaの「Category: 大統領自由勲章受章者」を見てみましたが、日本在住の邦人の名前はなく、日系人のダニエル・イノウエさん(ハワイ州選出のアメリカ上院議員)、ゴードン・ヒラバヤシさん(アメリカの元社会学者)の名前がありました。

ダニエル・イノウエさんは日本名を井上健といい、アメリカの政治家、軍人でハワイ生まれの日系2世です。彼は戦時中のイタリアでの際立った英雄的な行動によってその名を残しています。「ダニエル・K・イノウエ空港(ホノルル国際空港の正式名称)」とハワイの空港にその名が刻まれるほどです。

ゴードン・ヒラバヤシさんは日本名を平林潔といい、第二次世界大戦期のアメリカにおける日系人の強制収容に抵抗した1人として知られています。彼は強制収容に対して「人間の尊厳を侵し、生きる権利を否定するものだ」「この国が培う民主主義の規範を維持していくことが私の義務だ」と抗議しました。この勇気を称して2012年、当時のオバマ大統領が大統領勲章を与えています。オバマ大統領は式典で「彼のように立ち向かう市民がいたことで、この国はより良くなった」とスピーチしたようです。2人の勇気ある行動が認められ、名誉ある勲章を贈られたことを日本人として誇りに思います。

[国内ニュース]

異常な暑さ 6月の最高気温更新
BBCは、6月29日に日本の異常な暑さについて取り上げ、6月の最高気温が更新されたことを伝えました。今年の梅雨は異例の速さで開けて、熱中症で運び込まれる人のニュースが毎日のように報道されました。そして、この暑さでエアコンの需要が高まっているにもかかわらず、電力需給がひっ迫するとして、経済産業省が東京電力管内で午後3時から午後6時の時間帯は冷房などを活用して熱中症に注意した上で、可能な限りの節電を求めました。

今年はなぜこれほどまでに熱いのでしょうか、そして、なぜ電力の供給がひっ迫しているのかについて調べてみました。

6月にこれだけ暑い日が続いた理由とは?

6月の暑さは10地点で史上1位を記録しています。6月としては伊勢崎が全国で初めて40℃を超え、同様に桐生でも最高気温が25日から6日間連続で過去Top10に入る高い気温を記録しています。6月に40度以上になるのは観測史上初めてのことだそうです。この暑さの理由は太平洋高気圧にあり、ここ数年と比べてこの高気圧が日本列島に近づいていました。これにより真夏と同じ熱い空気が広く流れ込みました。さらに関東は山の風下にあたるため、山を吹き降りる熱い風(フェーン現象)により体温を超える危険な暑さとなりました。外に出ると強い日差しが照り付け、なんとも言えない「もわっ」とした空気が体を覆い、夜も熱帯夜が続いており、エアコンなしでは目が覚める暑さでした。総務省消防庁の熱中症情報によると6月20日から26日の1週間で4,500人を超える人が救急搬送されました。

6月20日
482
6月21日
239
6月22日
331
6月23日
565
6月24日
704
6月25日
1215
6月26日
1015
電力ひっ迫の理由

電力がひっ迫しているということで、6月末には都庁、渋谷駅をはじめ都内のスーパーやオフィスなど各所で節電が行われています。東京電力は電力供給の余力を示す「予備率」が5%を下回る可能性があるとして、連日「電力需給ひっ迫注意報」を出し、家庭や企業に節電の準備を呼びかけました。電力需給のひっ迫は今年3月にもありました。その時は3月16日に発生した福島県沖震源の地震で一部火力発電所、水力発電所が停止したことが影響していました。前回は他の電力会社から電力の供給を受けると同時に揚水発電で供給を増やして乗り越えています。

電力がひっ迫する理由の1つが発電の7割以上を占める火力発電所の減少と言われています。脱炭素や老朽化を理由にこの5年間で439万Kw以上が減少しました。また、東日本大震災後に原子力発電所の稼働が減ったことも理由として挙げられます。

3月のひっ迫時は東京電力管内でしたので他からの融通が利きましたが、夏になると東も西もひっ迫するような猛暑が続きます。故に、3月の時のように他からの融通に期待することはできません。もう1つの切り札である揚水発電とは「夜に余力のある電気を使って、水を高いところに揚げておき、昼の需要が大きくなるときに、その水を低いところへ落とし、発電するという仕組みです」(一般財団法人日本ダム協会HPより)。この揚水発電で発電量を増やして対応しているような状況です。

また、今年3月から長期計画停止となった火力発電ですが当初は7月1日に運転再開する予定でしたが、1日前倒しで運転再開となりましたが、予備率を改善するのは約1%と見通されています。一部では原子力を動かさねば電力が賄えないという話も出てきていますが、ドイツのように再生エネルギーで賄えるという国が出ています。太陽光などを駆使して、この危機的状況を乗り越えていきたいものです。暑さで体力が消耗されていますので、読者の皆様もくれぐれも熱中症にご注意ください。

【新型コロナウイルス関連】

コロナ感染患者数が再び増え始めました。NHKのコロナ感染特設サイトによると7月5日の新規感染患者数は36,189人を記録し、東京都では5,302人となりました。東京都で5,000人を超えるのは4月28日以来のことです。前の週の同じ曜日では2,514人でしたので倍近く感染者が増えたことになります。同様に大阪府でも感染者数が増えており、この日は4,523人を示し、前の週の同じ曜日の2,302人と比べてやはり倍程度でした。東京都が7月5日に発表したデータによると、5,302人の新規陽性者のうち65歳以上が376人(全体の7.1%)、死亡者数が3人でした。また、都の基準による重症患者は7人であったことが報告されています。感染者数の増加は大都市に限らず地方都市でも見られています。島根県出雲市でも5日に発表された新規の感染者数は755人で、その半数以上の感染者が出雲保健所管轄内とのことでした。出雲と言えば、出雲大社がありますので、観光にも影響を及ぼしそうです。これからの季節は学会やライブが各地で開催されますので、現地参加される方はくれぐれも気をつけていただきたいと思います。

【学会からのお知らせ】

[日本循環器学会]

6月30日に、日本循環器学会が同学会の公式ジャーナルであるCirculation Journal誌の最新Impact Factor 2021が3.350であったことを発表しました。同誌の2020年のImpact Factorは2.993、2019年は2.540でした。

それでは、以下、週間ランキングを紹介します。

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