山形大学 山内 聡 氏
症例
10代後半 女性
主訴
心肺停止状態
平日の昼頃に大学キャンパスの自転車置き場で、自転車の間に倒れているのを発見され、救急要請された。救急隊接触時JCS 300、あえぎ呼吸6回/分、心拍数10回/分のPEAであった。CPRが開始され、搬送された。
来院までの経過
10時37分に入電し、その7分後に救急隊が接触した。14分後にアドレナリン1mgが投与され、18分後にROSCを得られた。血圧が142/74mmHg、呼吸数が12回/分であり、あえぎ呼吸が続き、補助換気をされながら28分後に病院に到着した。
来院時身体所見
身長は165.6cm、体重が50.1kg、BMIが18.2であった。
神経学的所見は意識レベルがJCS 300、対光反射+/+、Babinski反射が陰性。
血圧が140/- mmHg、脈拍は120 回/分で洞性頻脈であり、10Lリザーバー投与下でSpO2 96%であった。
胸部診察では心雑音、ラ音は聴取されず。あえぎ呼吸が改善せず、挿管、人工呼吸管理となった。
腹部診察、及び四肢診察で異常は認められなかった。
来院時のX線検査では、心胸郭比が46.7%と心拡大はなく、肺うっ血が軽度認められた。
既往歴
左大腿部良性血管腫にて他院で経過観察
冠危険因子はなく、喫煙歴、飲酒歴なし、月経不順なし
心疾患の家族歴なし