横浜市立大学附属市民総合医療センター
菊地 進之介 氏
症例
80代 男性
主訴
呼吸困難
既往歴
大動脈弁狭窄症、
高血圧、
糖尿病、
脂質異常症、
頚椎症、
白内障
内服歴
アムロジピンベシル酸塩錠5mg、
シタグリプチンリン酸塩錠25mg、
ピオグリタゾン15mg、
ピタバスタチンカルシウム1mg
家族歴
特記事項なし
嗜好歴
喫煙
飲酒: なし
現病歴
前医で重症大動脈弁狭窄症(AS)を指摘され、定期フォローとなっていた。
血液検査(X-130日):
Cr 1.07 md/dL、
AST 17 IU/L、
ALT 9 IU/L
X-32日の定期検査で頻脈性心房細動を認め左室駆出率(LVEF)は45%と低下していた。
その後、呼吸困難・下腿浮腫が出現し、X-3日にうっ血性心不全・肺炎の診断で前医に緊急入院となった。
血液検査(X-3日):
Cr 1.44 md/dL、
AST 43 IU/L、
ALT 38 IU/L
入院後に肝・腎機能障害の進行を認め、重症ASによるショック・多臓器不全の診断でX日に当院に転院となった。
血液検査(X日):
Cr 1.73 md/dL、
AST 547 IU/L、
ALT 406 IU/L
現症
158cm、67kg台
意識 JCS Ⅰ-3、
血圧 112/73mmHg、
心拍数 147/分(不整)、
呼吸数 30回/分、
体温 37.4℃、
SpO2 100%(非侵襲的陽圧換気療法[NPPV]下)
眼瞼結膜に貧血なし、
眼球結膜に黄疸なし
頸静脈怒張あり、
ラ音あり、
第2肋間胸骨右縁に収縮期雑音あり、
腹部平坦・軟、
圧痛なし、
下腿浮腫あり、
末梢冷感・湿潤あり