臨床研究を計画する際に重要なのが、先行研究の調査とそこから研究者自身が考える研究の論理展開である。
しかし、全ての臨床研究には解釈上注意しなければならない隠れたポイントが数多く存在する。特に後ろ向き観察研究の結果には交絡因子をはじめとする多くのバイアスが含まれており、研究者自身が適切な交絡因子を選択しコントロールしなければならない。従って先行研究の調査を行う際、これから臨床研究を始めようとする研究者が、その誤った解釈に気づくことができなければ、臨床研究の計画時点で研究成果のレベルを下げてしまう原因となる。
それでは先行研究を客観的、且つ科学的に評価し、膨大なエビデンスの中から自身が求める情報を見極める“マクロ”な視点を養うためにはどうすればよいのだろうか?
テクロス臨床研究支援チームでは、約200本の論文を発表し、膨大な数の文献を精査してきた工野俊樹氏(Montefiore Medical Center, Albert Einstein Medical College)に、“マクロ”な視点での論文解釈にまつわるヒントを伺い、第3回にわたり連載する。