
本邦において民間病院を含む多くの医療機関から数多くの臨床研究が行われ、その成果が世界に発信されている。しかし臨床医がインパクトをもたらす大規模な臨床研究を計画し、それを実施・遂行・完了させるためには、机上の知識はもちろん、周囲を巻き込みプロジェクトをまとめ上げていく研究グループの総合力が求められる。
知識面に関しては、学会や臨床研究中核病院が主催するセミナーなどで学習する機会が増えつつある一方、研究プロジェクト遂行のためのノウハウについては学ぶ機会が少なく、医局や個々の医療機関が独自に行っているのが実情である。そのようなノウハウを持たない医療機関も多く、他施設の状況に興味をお持ちの方も少なくないのではないだろうか。
それでは、大規模臨床研究を送り出し続ける京都大学の研究グループはどのような仕組みを有しているのか、テクロス臨床研究チームでは塩見紘樹氏(京都大学附属病院)にお話を伺った。