日本では1990年代より橈骨動脈インターベンション(TRI)が始まり、今日ではPCI全体の70%以上を占める。一方で、アメリカでは未だ大腿動脈からのアプローチが主流でありTRIはPCI全体の25-30%程度である。最近の臨床研究では、橈骨動脈からのアプローチは大腿動脈アプローチと比べてアクセス部に関連する出血合併症の割合を低下させることが報告されている。しかし、橈骨動脈は血管径が小さく、大腿動脈からのアクセスよりも経験が必要であり、且つ、使用できるガイディングカテーテルのサイズに制限があるため十分なバックアップが得られないなどの課題も残る。これらのデメリットが特にCTO症例のような複雑な病変に対するTRIを困難にしている。