Profiles「南 和友 氏」 前編（2012年取材）

先生が医師を志されたきっかけをお教えください。

南 和友 氏（北関東循環器病院 病院長）

私は小学生の時に実の妹を亡くしました。妹は私より5歳年下で小学校にあがった頃でした。元気に夕飯を食べ、お風呂場に行った妹がなかなか出てこなかったので、心配して見に行くと彼女は亡くなっていました。かかりつけの先生を直ぐにお呼びしましたが、時既に遅しで、なすすべもありませんでした。子供心に私は、「なんて人は簡単に亡くなるのだろう」、「医師である先生はなぜ何もできないのだろう」と考えました。母が一生懸命心臓マッサージをしていたその時の記憶はいまだに鮮明に蘇ります。その時から人を助ける仕事に就きたいという気持ちが芽生えました。弁疾患は普通に生活をしていると気づかなくても、お風呂に入ったり、運動したりしている時に急死することもありますので、正確なことは分かりませんが、今考えれば大動脈弁が悪く、それが原因であったのではないかと思います。