ロシアがウクライナへ侵攻して以降、原油や天然ガスなどのエネルギー資源のほか、穀物価格の高騰により世界の需給関係が崩れつつあります。その影響は日本にも波及し、ガソリン価格や食料品価格が高騰しただけではなく、日本の貿易収支全体の悪化とアメリカの政策金利の利上げも相まって円安ドル高が続いています。
このウクライナ危機が世界経済に大きな影響を与えていることは周知の事実ですが、実は臨床試験の世界でもその影響が大きく出ています。そのような中、JAMA誌よりMedical News & Perspectivesとして“Clinical Trials Disrupted During War in Ukraine” 1)という論文が発表されましたので、現在のウクライナにおける臨床試験の状況をお伝えしたいと思います。