トップ keyboard_arrow_right 市場トピックス keyboard_arrow_right その他

「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年4月23日-4月29日~

2022 4.23   4.29

「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年4月23日-4月29日~

【一般注目ニュース】

[海外ニュース]

ネットフリックス株価が急落 、会員数減少による影響か?
アメリカ動画配信サービス大手のネットフリックス社において、この10年で初めての会員数減少により株価が急落する事態が起こっているとのニュースが国内外で話題となりました。4月24日付の日本経済新聞では、「ネトフリ、崩れた成長神話」と題して、時価総額7兆円減が報道されました。BBCでは、20日には株価が米株式市場で35%急落、21日にはさらに3.5%下落したことを伝えています。減少に転じた同社の会員数は、4-7月期にさらに200万人減る見込みであることが伝えられました。BBCは会員数の減少の理由として、「競合他社との厳しい競争に加え、アメリカやイギリスなど主要市場での料金の値上げやロシアからの撤退が打撃となった」と記しています。

アメリカ人投資家の1人、ウィリアム・アックマン氏は20日、自身が持つ同社の株11億ドル(日本円にして約1,400億円)相当を売却した結果、4億ドルを超える損失を出したことを明らかにしています。2020年より新型コロナウイルス感染による巣ごもりで同社の会員は急増し、株価も上がり続け、2020年以前は1株300ドル前後を推移していましたが、昨年のピーク時は約700ドルまで上昇しました。しかし、今回の会員数減少を機に株価は下がり続けており現時点では250ドルを下回っています。

ネットフリックス社が成長した理由は、時代に適合した経営戦略によるものでした。特に新型コロナウイルスにより世界の主要国がロックダウンに陥った際、同社は急速に成長を遂げました。それ故、今後は次の環境を見越した戦略へと移行しなければなりません。今回は同社のこれまでの成長の理由について考えてみたいと思います。

1998年4月、ネットフリックス社はアメリカ初のオンライン注文によるDVDの郵送レンタルサービスとして始まりました。この頃、アメリカではブロックバスターというビデオ・DVDのレンタルチェーン店がほぼ市場を独占していた時代です。現在のようにオンデマンドでパソコン、スマホやテレビで好きな映画や動画が見られる時代ではなかったため、人々は店に出向いてレンタルビデオを借り、仕事終わりや週末に自宅で映画を鑑賞するなどしていました。2007年に、ネットフリックス社は今のような動画配信サービス事業を開始していますが、その当時は既にアメリカではケーブルテレビが圧倒的な強さを誇っていました。ネットフリックス社がその後に頭角を現し、消費者の共感を得て成長した理由は3つあると、2021年10月10日付の東洋経済「Netflixに共感する人が爆発的に増えた納得の訳」でシニフィアン社の村上誠典氏は述べています。

消費者に寄り添ったサービス開発の姿勢
スタンフォード大学でコンピューターサイエンスの修士号を取得したCEOのリード・ヘイスティングス氏は、早期からリコメンデーション機能に積極的に投資していました。これが功を奏して、消費者が見たいという面白いコンテンツを探しやすくしていきました。

広告収入のみに依存しないビジネスモデル
消費者にとって視聴中のCMは不要なものであり、時に不快感を与えます。見たい番組をCMなく見るための対価を支払ってもらい、広告を配信しないことで支持が得られました。

既存のケーブルテレビとの差別化
アメリカではケーブルテレビが通信やネットのインフラとなっており、消費者から得られたお金はコンテンツではなく、インフラに使用されていたため、消費者が見たい番組とケーブルテレビが提供するサービスにずれが生じていました。ネットフリックスはこの消費者とケーブルテレビに生じる“ずれ”に目をつけ、純粋に消費者の好むコンテンツを提供しました。

上記が主だった理由として挙げられていますが、もちろん、この他にもマーケティングの4つ要素(商品、価格、流通、宣伝)も消費者に受け入れられて初めて今の成長モデルを達成していました。今回の会員数の減少は、「価格」の値上げに対し消費者から“No”を突き付けられたとも言われています。ともあれ、外部環境の変化に応じて、ビジネスモデルも変化させねばならないという典型的な岐路に立たされているのは、どこの業界でも同じことでしょう。

[国内ニュース]

日本電産、永守氏CEO復帰
ビジネス界では日本電産創業者の永守重信会長が4月21日付で最高経営責任者(CEO)に復帰し、後継者に指名されていた日産自動車出身の関潤社長が就任してから1年足らずで交代となったニュースが大きく取り上げられました。日本電産の永守社長は2018年にも現アメリカンエキスプレスの吉本浩之氏をCEOに迎えましたが、結果に満足できず2年で社長を交代させ、1年前に関氏に変わったばかりでした。関氏が社長を解任された理由として社内計画通りに業績が伸びていないこと、株価の低迷が挙げられています。この状況から1年で業績を回復し、株価を上げることができる経営者は組織の全権限を握れるだけの力を持つ永守氏しかいないと判断されたのでしょう。1944年8月生まれの永守氏は今年で78歳になりますので、一日も早く後継者を見つけねばモーター世界シェア、No.1の日本電産の将来が危ぶまれます。今週は、この日本電産とはどういう会社が調べてみました。

日本電産は1973年7月に永守会長を中心に20代の4人で設立されました。彼らは「世界一のモーター会社になる」という壮大な目標を抱いて、自宅にあった納屋を改装し、わずか9畳のプレハブ小屋を本社として創設しました。幼いころから人一倍働き、一番になることが重要であると思っていた永守会長は父親を早くに亡くし、自ら学費を稼ぐために塾を経営し、その利益で株式投資を行いながら、職業専門大学を首席で卒業しました。1988年11月に同社は大阪証券取引所2部と京都証券取引所への上場を果たします。さらに1998年9月には東京証券取引所1部へ上場しました。このスピード経営は同社の三大精神である「情熱、熱意、執念」、「知的ハードワーキング」、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」が会長のリーダーシップのもとで発揮され今に至っています。ここまでのストーリーを聞くと、強烈なワンマン社長という印象です。

主力製品は「ブラシレスモーター」と言われるものです。このモーターはブラシ付きモーターよりも構造が複雑で、音が静かで寿命も長く、回転制御が可能なうえにメインテナンスが不要という利点から価格が高いことで知られています。日本電産はこのモーターで2000年代半ばにはパソコンのハードディスク駆動装置(HDD)の市場シェアを80%、精密小型モーター市場では20%を占めています。日本電産が大きく飛躍したもう1つの理由としてはM&Aを経営戦略に取り組んだことで知られています。同社の製品の価値を高められるような会社を自ら見つけて、安く買い技術を取り込むと同時に買収先の企業が持つ大手顧客との販路を獲得していきます。

スピード経営と徹底を極める永守会長にとって、1年-2年で結果が出せない経営者は許容できなかったのでしょう。ユニクロ、ソフトバンクなども同様に創業者と同じ思いを持って経営にあたれるカリスマ経営者がこの先に現れるのか気になるところです。

[新型コロナウイルス関連]

NHKの特設サイト「新型コロナウイルス」によると4月23日(土)の全国の感染者数は43,966人を記録し、前の週の47,598人をわずかに下回りました。主要都市の感染者数は東京が5,387人、大阪が3,113人、愛知県が2,469人、福岡が2,553人、北海道が2,785人と、この数ヶ月は大きな変化はありません。ワクチン接種が功を奏しているように思えます。死者数も23日の段階では50人を下回り、このまま下がり続けることが期待されますが、ゴールデンウィーク後にどのようなになるかに注目が集まります。首相官邸の情報をもとにNHKがまとめたデータでは、1回目のワクチンを終えた人が全人口の81.4%、2回目は80.1%、3回目は51.8%(4月27日公表データ)と3回目接種を終えた人が約半数となりました。

それでは、以下、週間ランキングを紹介します。