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「週間ランクイン記事を読み解く」1週間分まとめ読み ~2022年6月4日-6月10日~

2022 6.4   6.10

【一般注目ニュース】

[海外ニュース]

エリザベス英女王 即位70周年
イギリスのエリザベス女王が即位して70周年を迎え、これを祝う行事についてBBCが特集を組みました。1926年に生まれ、今年で96歳になる女王は、イギリス史上もっとも長く在位し、その人気はいまだ衰えることはありません。

 

イギリスでは6月2日から4日間にわたり、女王の即位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」が行われました。プラチナ・ジュビリーとは、Wikipediaによると「70周年の記念式典。特に君主制国家では、君主の在位70周年を記念」するとされています。プラチナ・ジュビリーを祝賀された君主としては、フランス王国のルイ14世(1643年-1713年)、リヒテンシュタインのヨーハン2世(1858年-1928年)、タイ王国のラーマ9世(1946年-2016年)に続き、4人目となる希少な君主です。ちなみに、60周年がダイヤモンド・ジュビリーと呼ばれ、100周年はCentenaryと呼ばれるとのことです。

実際にプラチナ・ジュビリーでどのようなイベントが行われたのでしょうか?以下に4日間のイベントを紹介します。

6月2日 : 女王のバースデーパレード、プラチナ・ジュビリー・ビーコンズ(かがり火)
6月3日 : サービス・オブ・サンクスギビング(セントポール特別礼拝)
6月4日 : エプソム・ダービー(エプソム競馬場)、バッキンガム宮殿でのジュビリー・コンサート
6月5日 : ビッグ・ジュビリー・ランチ(イギリス全土の多くの通りや自宅などで行われるパーティ)
プラチナ・ジュビリー・ページェント(アーティストが参加して様々なイベントが行われる)
 

女王が誕生した1926年といえば、日本では大正15年(昭和元年)です。96歳になっても国民に絶大な人気を誇るエリザベス女王は、イギリスのみならずイギリス連邦王国の君主でもあります。イギリス連邦王国は、イギリス帝国時代のほぼ全ての旧領土から構成されています。オーストラリア、バハマ、バングラデシュ、ボツワナ、ブルネイ、カナダ、カメルーン、ドミニカ、フィジー、ガンビア、ガーナ、ジャマイカ、ケニア、ニュージーランド、パキスタン、パプアニューギニア、ルワンダ、シンガポール、ウガンダなど加盟国は54ヶ国が同盟国としてイギリス連邦王国に所属しています。これらの国では女王の姿が紙幣に印刷されており、18世紀から19世紀にいかにイギリスが世界に影響力を持っていたのかが分かります。イギリス国内のみならず世界中の人々から愛されるエリザベス女王の在位70周年を心からお祝い致します。

[国内ニュース]

6年連続低下した日本の出生率

「当たり前のことを言うようだが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう。それは、世界にとって大きな損失である。」と、今年5月8日にテスラのイーロン・マスク氏が自身のTwitterに投稿したことが、日本はもちろん世界中で話題になりました。

彼の発表から1ヶ月も経過しない6月4日付の日本経済新聞で、「出生率 6年連続低下 昨年1.30、最低に迫る 出生数最小」と、大きく少子化の問題が取り上げられました。この記事は、厚生労働省が3日に発表した、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数を表す指標)が2021年は1.30であったことに関するものです。合計特殊出生率は6年連続の低下で、出生数もこれまでで最も低かったことが記事の中で強調されていました。印象的だったのは、「新型コロナウイルス禍後に出生数を回復させた欧米と比べて対策が見劣りする上、既存制度が十分に使われず、支援が空回りしている」と指摘された点でした。少子化対策として、自民党のホームページでは以下のような支援が提言されていますが、改善する見込みがなく、年々出生率は低下しています。

  1. 「結婚」出会いの機会創出、地域における新たな女性雇用の創出等
  2. 「妊娠・出産」経済的負担の軽減、地域産科体制の充実等
  3. 「仕事と子育ての両立」育児休業給付の充実等
  4. 「地域による子育て支援」認定こども園・保育所等での子育て支援等
  5. 「多子世帯への支援」児童手当の多子世帯への加算等

内閣府の調べによると、晩婚化の進展や夫婦出生力の低下などが少子化の直接的な原因であると考えられています。直接的な原因の背景として、「仕事と子育てを両立できる環境整備の遅れや高学歴化」、「結婚・出産に対する価値観の変化」、「子育てに対する負担感の増大」、及び「経済的不安定の増大等」があると、内閣府は報告しています。

価値観の変化に関しては、女性の社会進出が影響しています。国を支える働き手が人口減少により大幅に減り、女性にその役割が課され始めました。厚生労働省によると、令和元年の女性の労働力人口は3,058万人と、前の年に比べ44万人増加しています。男性は3,828万人であることから、労働力人口総数に占める女性の割合は44.4%でした。大学を卒業して就職する年齢が21歳-22歳と考えるとそこから数年で退職する人も減り、仕事を自らのキャリアとして選択する女性が増え晩婚になっています。今の日本の状況では、男性のみが働いて若いうちから子供を数人育てるような経済的余裕がある世帯は決して多くはありません。このような状況下では国の支援なくして、少子化の問題を解決することはできません。諸外国ではどのような対策が功を奏しているのか調べてみました。

内閣府によると、北欧諸国やフランスなどが政策対応により少子化を克服しています。北欧で少子化対策に成功した国の代表にスウェーデンが挙げられます。同国では、1999年に1.5であった出生率が2010年には1.98へと回復しています。スウェーデンの行った対策の代表例として、家族政策や女性解放政策があり、少子化を食い止めたと言われています。この代表例を以下に挙げます。

  1. スピードプレミアム… 子供を出産する間隔を短縮すると優遇される制度
  2. サムボ制度… 事実婚、同棲するカップルにも法律婚と同じ権利を保障
  3. 父親専用の育児休暇と育児休暇の延長
  4. 高い育児給付金… 最初の390日は働いていた時の賃金の80%を給付、残りの90日間は1日900円の定額給付
  5. 高い育児休業取得率
  6. マックスタクサ制度… 保育所の利用料金の上限額を定める制度

この中でも父親専用の育児休暇や育児休暇延長の影響が大きいように思われます。日本でも最近は育児休暇を取る父親もいますが、日本の文化的に男性が育児休暇を取ることをよしとしない風潮もいまだ少なくはありません。特に人材不足で悩む中小企業で育児休暇を取ると、戻ってきた後に本当にポジションが確保されているのかを不安に思う人も少なくないでしょう。とはいえ、今の日本の少子化を考えると、イーロン・マスク氏が心配するような事態となる可能性も0ではありません。諸外国から学ぶことも大切ですが、日本の文化にあった少子化対策を行う必要があります。

【新型コロナウイルス関連】

NHKの新型コロナウイルス特設サイトでは、6月4日(土)18時20分時点で、新規に確認された感染者数は全国で18,252人が記録され、東京都が2,071人、大阪府は1,493人、愛知県が1,165人、福岡県は908人と全体的には2万人を下回り減少しています。首相官邸の報告によると、6月9日時点でワクチン接種率は1回目81.8%、2回目80.7%、3回目60.1%と進んでおり、4回目は6月3日時点で6,304人が接種したとのことで、今後も徐々に浸透していくと思われます。

NHKの「新型コロナ 世界からの報告」によると、中国上海は外出制限が6月1日に解禁されました。上海では約2ヶ月厳しい外出制限が続いていましたが、感染が抑え込まれたとして一部の地区を除いて外出が認められています。お隣の韓国ではコロナワクチン未接種者もが6月8日から入国時の隔離義務が免除となります。徐々にアジア諸国の厳しい規制が緩和されつつあり、日本をはじめとするアジア諸国からも海外へと渡航できるようになりそうです。となるとコロナ感染が拡大する前のように海外の学会やライブに参加ができるようになる日も近いでしょう。

【学会からのお知らせ】

[CVIT]

CVITは、FFR-CTの適正使用指針について、日本循環器学会、日本医学放射線学会、CVITの3学会合同で改訂を行ったことを発表しました。本適正使用指針の中では、FFR-CTのエビデンス、ガイドラインの位置づけ、適応と除外基準、及び留意点が述べられおり、留意点として、FFR-CTの解析施設へ冠動脈 CTA の DICOM データを送信する際には、個人情報を削除すること、冠動脈 CTA の同意書の他にFFR-CTの同意書を取得すること、臨床的に疑いのある症例に対しては、総合的な診断を行うよう心掛けることなどが伝えられました。

[日本循環器学会]

日本循環器学会は、日本医学会連合として個人情報保護委員会宛に5月2日付で意見書を提出し、日本医学会連合と個人情報保護委員会が同月13日に意見交換会を開催したことを受け、個人情報保護委員会が「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&Aを更新したことを発表しました。本更新により、当面、観察研究に関する問題は回避されるとのことであり、日本医学会連合では、今後「個人情報保護法改正に伴う臨床研究課題検討委員会(仮称)」を設置し、引き続き対応を検討していくとしていくとのこです。

それでは、以下、週間ランキングを紹介します。

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