虚血性心疾患患者の突然死予防に対する薬物治療からICDを用いた治療への変遷のエビデンスが、近畿大学医学部附属病院の栗田隆志氏により、CVIT 2023の日本不整脈心電学会合同企画セッションで発表された。
薬物療法の歴史
MI後の患者に突然死が多いことは、50年以上前からに報告されており、この頃に心室性期外収縮(PVC)の重症度を評価するLown分類が提唱され、グレードが上がるに伴い突然死のリスクが高まることが伝えられた1)。しかし、その10年後にLown分類は必ずしも予後を推定せず、むしろ、PVCの数が増えるほど突然死のリスクが高まることが報告された2)。
故に、PVCを薬物療法で抑制できれば、予後が改善される可能性が示され、CAST試験の実施へとつながった。