1977年にスイスで第1例目の治療が実施された経皮的冠動脈形成術(PTCA、PCI)は、1980年以降に日本でも普及した。2000年代には全国に循環器専門の医療機関が設立され、昨今では年間症例数が25万例を超えるまでに至っている。本稿では、短期間で成長したカテーテルインターベンションの導入から今日までを振り返り、外的環境の変化が業界にどのような影響を与えたのか、そして、今後直面する状況や求められる変化について検討する。
導入期:循環器専門施設の誕生 1990年代後半から2000年
1990年代から2000年代前半に入り、市場が成長期から成熟期へと突入し、次々に新しいデバイスが現れた。国内にPCIの医療材料を提供する海外メーカーが増え、輸入製品のみならず国産メーカーも開発に成功したことで、製造元から卸売業者そして施設への納品価格が下落し、施設は中間業者とともに多大な収益を得ることができた。