慢性冠症候群(CCS)患者、特にPCI後の患者における抗血栓療法については、出血リスクや虚血リスクに基づき、近年多くの臨床研究が実施され、新たなエビデンスが確立されています。また、大規模臨床試験からSGLT2阻害薬やGLP1受容体作動薬の心血管リスク低減効果が示され、CLEAR Outcomes試験からは、スタチン不耐患者におけるベムペド酸による心血管アウトカムの改善効果が報告されました。今回は、このようなエビデンスを踏まえて改訂されたESCの慢性冠症候群の管理のガイドライン1)における薬物療法に関する変更点について解説いただきます。