2004年に新医師臨床研修制度がスタートし、大学医局の縛りがなくなり、公募マッチングによる採用が行われるようになったことで、研修医は研修病院を自由に選択できるようになった。これにより、大学医局での研修希望者が減少し、特に地方の大学の研修医が激減するという問題が発生した。また、臨床研修の義務化により、卒業と同時に専攻する診療科を決定する必要がなくなり、各診療科で研修後に診療科を選択できるようになった。その結果として24時間激務に追われる診療科が敬遠されるようになったと言われている1)。
今回、『30代から考える循内キャリアパス』と題して、開業、大学病院での勤務、専門施設での勤務の選択をされた3人の先生方をお招きし、医局制度についてお考えを伺った。
▽ 開業医という選択

荒木 正 先生(亀戸内科クリニック)
2003年に東邦大学医学部を卒業後、東邦大学医学部付属大橋病院第三内科(現・循環器内科)に入局、2007年に東京高輪病院循環器センターへ出向、2010年に東邦大学医療センター大橋病院循環器内科助教に就任、2016年に30代で亀戸内科クリニックを開業
▽ 大学という選択

割澤 高行 先生(NTT東日本関東病院)
2009年に東京大学を卒業後、せんぽ東京高輪病院、東京大学医学部附属病院にてレジデントとして勤務、新東京病院心臓内科にてフェロー、医員を務めた後、2016年、同院にて救急科部長を兼任。2017年4月からは聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院循環器内科医長兼助教として勤務、2017年10月からImperial College London, Hammersmith Hospitalに留学、2019年10月より聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院循環器内科にて医長、助教を兼任。2021年岐阜ハートセンター、現在NTT東日本関東病院にて、冠動脈カテーテル治療部門長、CCU室長として勤務。
▽ 専門施設という選択

徳田 尊洋 先生(名古屋ハートセンター)
2010年に名古屋市立大学を卒業後、岐阜県立多治見病院にて初期研修医として勤務、2012年より済生会横浜市東部病院にて勤務、2018年から名古屋ハートセンターに所属。