2020年3月12日より京都にて開催が予定されていた第84回日本循環器学会学術集会は、コロナウイルスの感染拡大により延期となったが、学術集会で発表予定であった新たなガイドラインは当初の予定通り、3月13日に日本循環器学会の公式サイトで公開された。
2020年改訂版弁膜症治療のガイドラインでは、高齢化の進む日本において高齢者に認められる疾患概念などが含まれ、本邦における弁膜症診療の現状を加味して、日本と欧米の違いを反映させた基準が設定された。以下、僧帽弁閉鎖不全症(MR)、大動脈弁閉鎖不全症(AR)、大動脈弁狭窄症(AS)、三尖弁閉鎖不全症(TR)、人工弁置換術後の治療を中心にまとめる。