J-CONFIRMレジストリーはFFRを基準にPCIをdeferした日本人患者の長期臨床成績を調査した大規模レジストリーであり、国内28施設から1,000例を超える症例が登録され、そこから多くの示唆に富んだ解析結果が生まれている。
一般にレジストリー研究は前向き研究のClinical Questionを見出すような探索型研究としての意味合いが大きく、取得するデータの範囲も広くなりやすいため、事前の研究計画を綿密に検討することがその成功の可否を左右する。さらに、Clinical Questionの再構成をはじめ、統計解析のノウハウが必要とされるなど知っておくべき知識の例は枚挙にいとまがない。
そのような臨床研究の”奥深さ”を学ぶ専門職大学院が日本にも創設され、MPH (Master of Public Health: 社会健康医学修士) という名称で学位が授与される。テクロス臨床研究チームでは、循環器内科医としてMPHを取得され、J-CONFIRMレジストリーのサブ解析を行った1人である石井正将氏(熊本大学病院)にお話を伺った。