抗凝固薬を服薬する心房細動合併患者におけるPCI後の抗血栓療法については、直接経口抗凝固薬(DOAC)とワルファリンを比較した臨床試験が実施され、PIONEER AF-PCI 試験、RE-DUAL PCI 試験、AUGUSTUS 試験、ENTRUST-AF PCI 試験において、4種類のDOACがいずれもP2Y12受容体拮抗薬との併用で、ワルファリンとDAPTの3剤と比較し、虚血性イベントを増やすことなく出血性合併症を減少させたことが示され、ガイドライン1)では禁忌がなければワルファリンよりもDOACを優先して用いることが推奨されています。一方で、左室・左房内血栓を有する心筋梗塞患者、重症心不全患者、左室瘤を合併する患者、人工弁置換術後(機械弁)の患者においてはACS、PCI後の抗凝固療法にワルファリンが推奨されています。今回はこのような症例について解説いただきました。