平成30年4月に経済産業省から発行された「日本の医療機器産業の競争力強化とイノベーション活性化に向けて」1)の序文には、医療機器は健康・医療に関する社会的要請に対して重要な役割を果たすものであり、経済や産業の観点からも今後の成長産業の一翼を担うことが期待されていることが述べられている。一方で、日本の医療機器産業は、欧米と比較して国際競争力に劣り、輸入超過の状況が続いており、海外ではスタートアップ企業が革新的な医療機器を開発し、大手企業が事業化していくというイノベーションのエコシステムが構築されているが、日本ではイノベーションが十分に起こらず、日本発の医療機器が十分に創出されていないことが記載されている。
テクロス臨床研究チームでは、循環器領域の医療機器開発に数多く携わってきた株式会社ニューロシューティカルズの代表取締役を務める三池信也氏に取材し、日本の医療機器開発の現状と競争力低下を招いている原因について伺った。