人工知能(AI)は循環器診療をどう変えるのでしょうか?既に多くの領域でAIが導入され、循環器領域でも徐々に利用されるようになりました。本セミナーでは循環器領域にAIがどのようにかかわり、影響していくのかを語っていただきました。また、楠瀬先生ご自身の研究と現在の取り組みについてもお話しいただきました。

講師:楠瀬 賢也 先生(徳島大学)
コメンテーター:菰田 拓之 先生(豊橋ハートセンター)

本動画は2021年9月28日にWEBシンポジウムにて放映した内容になります。
ライブ配信のため、画像・音声の乱れがあります。
演者の所属先は放映時のものとなります。

視聴者の対象

  • 循環器診療に携わる臨床医
  • 管理職で働く人
  • 循環器診療は経験と勘が肝であると信じる人
  • AIアレルギーの人
  • AIを受け入れ使いこなす側で働きたい人

みどころ

  • AIとは何か、なぜAIが誕生したか、歴史的な背景から考えます
  • 医療領域におけるAIが循環器内科医に与える影響を伝えます
  • 人工知能、機械学習、ディープラーニングとAIの進化を身近な例に例えて解説します
  • 専門家のみが最適なアウトカムを提供する時代から誰もが同じアウトカムを提供する時代に代わる模様を伝えます
  • 循環器内科医が後れを取らないためのAI技術の現状を知ります

目的

これまで医療は診断・治療においても医師個人の裁量に委ねられる部分が大きく、どこで、誰に診断され、治療されるかで患者の命運が変わっていました。AIは現場で重責を担う医師に対し、個々の患者に適した情報を提供することで、最適な診断・治療を提供できる補助ツールにまで至りました。この番組では、AIとは何かを知り、目の前の患者に対し最適な医療を自分一人ではなく、専門家の意見を組みしながら提供する時代が来ていることを知ってもらうことを目的としています。

背景

AIは理論を構築したり考えたりするといった人間の高レベルの認知能力を実現化することを目的に開発されました。しかし、1960年代のスタートから60年経過した今日、AIは、より現実的な世界に引き寄せて考えられるようになりました。AIには人工知能、機械学習、そして、Deep learningがあり、それらはAIの歴史を意味します。

1960年代から1980年代に登場した将棋ソフトが初期のAIの代表的な商品です。1980年代にはデータから規則や数理構造を抽出する技術として機械学習が進化し、その後、2010年代にディープラーニング(DL)が発達しました。このディープラーニングこそが今、我々の身近にあるAIの最先端技術です。DLはAI自身が考えて判断する技術です。従来のAI技術で道路を走る車を認識する場合は、車とはタイヤが4つあり、形が四角で、時速〇〇から〇〇キロで走る物体であると教えていました。しかし、そのルールから外れてしまえば(例えばタイヤが6つあるなど)車と認識しなくなります。一方、DLはデータから特徴量を自動で抽出しながら傾向を学習してその物体が何かと判断します。この最新の技術が循環器診療を大きく変えようとしています。本番組ではAIの最前線を循環器内科医であり、自らAI診断技術を開発する楠瀬先生に語っていただきました。AIなど興味がない、AIが人間を超えるはずがないと考えていらっしゃる人必見の番組です。